死刑は是か非か

死刑は是か非か。
もし死刑が正当なら、それを証明できる。
もし不当なら、それを証明できる。
即ち、一つの文章から、矛盾した文章が作れる。
即ち、この文章自身が成り立たない。

これがゲーデル不完全性定理第一定理である。
では第二定理に行こう。

死刑をすることは、無矛盾である。
しかしこの無矛盾を証明することは出来ない。
何故なら、死刑が無矛盾ならその無矛盾を証明できる。
一方、死刑が矛盾するなら、それを証明できる。
即ち、一つの文章から、矛盾した文章が作れる。
即ち、死刑の無矛盾は証明されない。

       *。
ここまでくれば、ゲーデル不完全性定理は論ずる必要がない。
自明の理だ。

このゲーデル不完全性定理を、人類がマスターするにどれくらい掛かるだろうか。
何十年も掛かる。
人の一度確立した考えを変えることは容易ではないからだ。